タイトル：AINOU

アーティスト：中村　佳穂

リリース年：2018年

バッハの宗教音楽～1920年代のSPレコードから現在まで、さらに世界中の音楽を聴くブログオーナーは、なかなか新しいミュージションと出会っても驚くことはほとんどない。

しかし、中村佳穂との出会いは、まさにぶっ飛んだ！　なんだこの自由奔放さは！　歌いながら笑うって何？　JAZZ, クラシック、エレクトロ、ポップスと様々な要素が予測不能に行き交う躍動感と生命力は何なんだ！

この人が作曲時に作られたデモテープから、完成形までどの様に音楽が構築されていくのか非常に興味深く、天才の呼び声も決して大げさではではない。

少々古いが、矢野顕子がライブの際に曲の途中で転調するといった離れ業を披露することがあるが、その世界に似ている。

2021年に公開されたアニメ映画「竜とそばかすの姫」で主役の声優をこなし、劇中の歌が大きくフィーチャーされヒットを記録した2枚目もよりポップに仕上げっていいが、この1枚目がガツンと来る名曲揃いで強くオススメしたい。

そして、何といっても11曲目の「そのいのち」は、私は聴くたびに涙を流してしまう。人生そのものを後押しして応援してくれている様な非常に力強い曲だ。

まだ、知り合って間もない二人にとって、まるで映画のサントラトラックの様なこのアルバムをデートの帰りに、そのバラエティーさと彼女のファルセットに酔いしれて欲しい。