わかむすめ:牡丹
大切なデートで吞みたいお酒のとなる本ブログは、様々なお酒を紹介する予定だが、ブログオーナーが日本酒好きであることから、日本酒の回数が多くなることを予めご了承願いたい。
さて、本コーナー栄えあるトップバッターは、山口の日本酒「わかむすめ:牡丹」である。
山口県の日本酒と言えば、獺祭が有名であるが、日本酒ランキングでは獺祭は山口県第5位。山口には、美味しい日本酒がワンサカある。このわかむすめは山口県で第6位、日本全国では言えば98位とまだまだ知名度が高くないが、一番に紹介したい日本酒だ。
「わかむすめ」は山口県にある新谷酒造で醸される。夜は満天の星空に包まれるのどかな山里で、夫婦で営む小さな蔵だ。2018年、2年目となるフランスでの日本酒コンクール「KURA MASTER」では、「わかむすめ 月草」が純米酒部門で金賞を受賞した。
山口県ランキング5位ながら、全国にランクインしないのは、その出荷数の少なさ故か。
この“牡丹”は、濁り酒でありながら吟醸酒と珍しい日本酒。コレがたまらない! パインの様なピーチの様な爽やかな吟醸香に口当たりはスッキリ。濁り独特の酸味がさらなる風味を加え、日本酒としての旨味を残しながらも、新ジャンルを思わせる程驚きの連続の一品。ただ染み染みと美味しい。王道ではないかもしれないが最高の日本酒と言っていいかもしれない。
初回でいきなり、濁り酒という変化球と思った人もいるかもしれないが、いわゆるどぶろくといったトロっとした舌ざわりの日本酒ではない。吟醸酒に香りづけとして醪(もろみ)がいい役割を果たしていると考えて欲しい。
ここで、にごり酒の製法について紹介する。まず、共通した基本的な日本酒の作り方として、米をアルコール発酵をさせた醪 (もろみ)と、専用の袋に入れ力をかけて搾る作業を行う。
これにより、袋の中には酒粕が残り、分離した液体の部分が日本酒となる。そして、醪を搾る作業のときに、敢えて目の粗い袋を使い濾す製法の日本酒が「にごり酒」だ。澱 (おり)と呼ばれる白く濁ったものが日本酒の中に残る。
新谷酒造は、この澱は通すが沈殿するサイズの澱は通さず、澱が分散状態を維持できるフィルターを使用している事がこのお酒の旨さを作っているとも言える。
通常澱が沈降している濁り酒は、多少瓶を降ってから呑むが、ワカムスメはその必要がない。単にうす濁りでなく、澱の粒子径が恐らくシングルミクロンを維持しているのであろう。
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