九十九里浜に近い寒菊銘醸から発信する「Ocean99」は、日本酒の新しい風を感じさせてくれるブランドだ。全国の日本酒ランキングでも13位と好位置につけている。この日本酒らしからぬラベルに興味惹かれたが、「Ocean99」シリーズの限定酒、純米大吟醸だ。Silver Liningとはネガティブな出来事にもポジティブな側面を持つという比喩で楽観主義を表す。そんなメタファで命名するなんて相変わらず粋な酒造メーカーだなと思っていると、なんと130年以上に渡り「飲む方々の『心を満たす』酒づくり」を掲げて日本酒を醸している老舗造り酒屋である。できる限り昔のものを大切にするというスタンスであり、酒造りの蔵も創業当時のままである。庭にある樹齢200年の柿の木の根元から湧き出す清水と、地元の契約栽培農家の米で仕込まれる日本酒は地の食材との相性も抜群である。「小粒ながらも一徹さを持ち、末長く良い酒を造る」この寒菊の心を持って今年もまた丁寧に酒が仕込まれる。

寒菊銘醸最高スペックの29％精米で醸す純米大吟醸。

人生の雑事の中曇った気持ちに、一筋の光が射す「希望」を表現するラベルデザイン。明日への活力源になるように願いが込められているそうだ。

美味い! 間違いない! 純米大吟醸の王道の旨さに爽やかな風を感じさせる滑らかさ。ここのお酒は、何を呑んでも美味いのだろうなと感じさせる1本だ。